ディレクターズワークショップ最終回に向けて①

佐々木です。
劇場では王子スタジオ1の管理とディレクターズワークショップ(以下、DWS)を担当しています。第6回DWS参加者絶賛募集中ということもあり、これから何回かDWSについて書こうと思います。
※そもそもDWSって何?って方は先にこちらをお読みください。


僕は2013年5月から王子小劇場(当時)で働き始めたんですが、その年明けの2014年1月にDWSがあり、職員でありながらも一参加者、一演出家として参加しました。
この頃のDWSはまだナンバリングされてなくて、僕が参加したこの回が第2回。
ぶっちゃけこの段階ではまだDWSの認知度も低く応募者が多いわけではなかったんです。なので、王子の職員も演出家なんだし参加しようか的なチャンスがあったんですね。(驚くことに第1回には職員の中から北川さんが参加!)(そして僕が参加した第2回には、当時まだ職員になっていない池亀さんも参加してました)

でその第2回DWSで、それはもうコテンパンにやられたんです。
忘れもしないDWS2日目の発表後、他のチームに俳優として参加してたTさんに「これ見せられて俺ら何言えばいいんすか。こんなんこっちの時間を無駄にしてるだけだしやる気ないなら帰ってください」と言われたんです。「俳優に恥かかせて、俳優を何だと思ってんの。お前みたいのが本当にムカつく」的なことも言われた気がします。(文字では伝わらないと思うので補足しておくと、結構怒号でした。)
で、僕は震える声で「……帰りません」と言いました。涙目でした。

僕が2日目の発表で何をしたかっていうと、セリフおぼえの稽古風景を見せたんです。
その時僕は俳優に「セリフを自由に言える理想の状態」になってほしくて、4日間の2日目までほとんどの時間をその状態に近づくためのメソッドの稽古しかしてなかったんですね。
だから2日目の成果発表ではそのメソッドの稽古(多少具体的に書くと、向かい合って大きな声でセリフを言い合う男女。しかもセリフを間違う。セリフが止まっても演出は助けない)を見せたんです。そりゃあTさんにも怒鳴られます。

それを経て3日目以降どうなったか、を書き始めるとめちゃくちゃ長くなるんでいつか機会があればにしたいんですが、何故僕の思い出を話し始めたかって言うと、僕このときに「正しく致命傷を負った」んだな、と今振り返って思うんです。

この傷から得たものが沢山あります。具体的なことを書くと例えば
・自分が持ってる方法論に固執して作品をつくることはしなくなった。(稽古の一環として使うこともあるけど、それが目的みたいになるのはよくないことだと身をもってわかった)
・俳優との信頼関係、という意識が芽生えた。(仲間内でやってたから俳優との関係とか全然意識してなかった)
・稽古場で自分が考えていることをきちんと伝える。出し惜しみしない。(DWS初日からどういう上演にするかは頭にあったのに、そこに触れずに時間を消費したのが本当に無駄だった)
みたいに自分の創作に変化がありました。

そして、それ以上に抽象的なこと(創作に向かう意識みたいなもの)が培われた気がしています。
「常にチャレンジする」「ちゃんと集中する」「自分が持ってるおもしろいを大事にする」「はっきりものを言う」とかです。(当たり前なことが多いんですが、こういう気付きがDWSの良さだと思っています)
上記のことは、すべてがDWS後すぐに感じたことではありません。人生で都度都度ふわっと思い返すこととして大事に生きてます。


その後、第3回から運営としてDWSに携わります。
何行か前に書いた「常にチャレンジする」っていう精神でこれまでDWSを運営してきました。
それは今回の最終回でも変わりません。

2014年の1月に僕はDWSで傷を負いました。成功するよう自分なりに準備して行ったにも関わらず、失敗の連続でした。
そんな僕の個人的な感想ですが「失敗できる場」としてDWSはかなり有益だと思います。公演にはお金も時間もかかる。劇団の運営や公演の赤字とかで借金をする。僕自身もそうなったことあるし、周りにもいます。失敗したら生活が危うくなるなんてざらです。
そんな中、DWSは身一つで挑戦できて、失敗しても安全な場所なんです。しかも無料だし。(ただ、何の準備もせずに「失敗でした」みたいになるのはマジでありえないんで、応募する方はそこはしっかりしてください)

第6回DWSの募集を開始してから2週間。応募締切まで残り20日を切りました。
今回が最終回ということもあり、すでに沢山のご応募をいただいてます。まだまだお待ちしてますので、まだの方、是非ご応募くださいませ。正しく致命傷を負いましょう。

詳細・申込はこちら


やっぱり思い入れのあるDWSについて書くと、伝えたい話がありすぎてとっ散らかっちゃいます。読みにくい文章ですみませんでした。次回からは気をつけます。

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