獲ること、渡すこと、分かつこと
北川です。 先日ご縁あって セゾン文化財団さんのviewpointに拙稿を寄せさせていただきました 。よかったらお読みいただけますと。他の方々の華々しさに軽く目眩がしておりますが、うちの劇場が今日までどうやって踏みとどまってきたかの記録になっておりますので、よかったらお目通しをば。 書きながら本当に秘密なくやってるフルオープン劇場だってことにビビりました。聞かれたらだいたい答えます。責任者が変わってもそうなのですから、きっともはやそういう企業風土なのかもしれません。ちなみにうちの親会社の社長も全部オープン派です。細かい数字まで、全部見せてもらいました。寿命が縮んだり、心拍数が上がったりしました。東京の下町で生まれ育った、自他ともに認める誠実な社長です。思えば今私鼻息荒目に演劇祭のファンドレイジングなんかを担当していますが、地域の方皆さんと話していてふと、自分は今の社長と若社長の信用=クレジットを換金しているだけなのではなかろうか、と感じてしまう事があります。っていう程には、社長の信用の確かさにこの劇場がやってこれたことを噛みしめる日々です。 さてさて。閑話休題。 ディレクターズワークショップがまもなく〆切です。 毎年駆け込みでバタバタと応募が殺到するのですが、今年も例に漏れずそうになりそうで、まだ応募を迷っている方がいらっしゃいましたら、どうぞお早めにお申し込みくださいませ。 今回が王子では最後の開催になるのですが、このワークショップで最後まで貫きたかったことがあります。それは「参加費無料」の部分です。 現在事業支援会員の方々のご支援もあって、以前よりは多少経費的な部分では楽をさせてもらっているのですが、それでも毎度毎度結構な金額かかってる企画です。何回も社内の会議でも、他の方からも、参加者ご本人からも言われたこともありました。それでも6回、参加費無料を貫いてきたのは、私のわがままでした。 私自身が小劇場で活動するにあたり、本当に最初期の頃演出助手で幾つも現場につきました。現場で学べることが、当時大学生だった私にとって一番スパイシーで、かつ超実践的な学びはその後の創作にも大変役に立ちました。演出家が稽古場でどう振る舞うのか、どういう視点を持っているのか、創作に向かうとは。全て現場で学びました。もちろん自分が創作するときにはその勝手の違いにヒヤヒヤし